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コラム

アクションラーニングとは

2021.10.01

目次

  • アクションラーニングとは?
  • アクションラーニングセッションとは
  • アクションラーニングの肝は「質問」
  • アクションラーニングの進め方
  • アクションラーニングの効果
  • アクションラーニングの事例
  • 最後に

アクションラーニングとは?

アクションラーニング(Action learning:AL)とは、個人、そしてグループ・組織の学習する力を養成するために考え出された、問題解決プロセスを重んじたチーム学習法の1つです。
定義的には「現場で実際に発生しているリアルな問題に、チームを組んでその問題解決にあたり、その中で質問、内省、行動・実践を繰り返す(リフレクション)」という学び方です。

アメリカの哲学者デューイが「あらゆる純粋な教育は、経験を通じて得られる」という教育理念を実践すべく、米GEが企業内教育として取り入れたのが話題になりました。その後、アクションラーニングの父と呼ばれる物理学者レバンス博士(イギリス)が、導入している米企業の様々なやり方を体系的に整理して、アクションラーニングとしてまとめました。

アクションラーニングの特徴としては以下の3つがあります。

アクションラーニングの特徴

  1. アクションラーニングセッションでは質問中心で進められる
  2. 振り返り(リフレクション)による気づき、内省、学習の誘発に重きをおく
  3. アクションラーニングコーチを介入させ、セッションを効果的に進行させる

アクションラーニングは、多国籍企業のTOP45のうち、すでに60~65%の企業で実施されています。特に、グローバルでダイバシティな職場環境で、考え方の多様性を高める教育法としても注目されています。経営幹部候補の教育手法としても注目されてます。

アクションラーニングセッションとは

チームのメンバー同士が質問を投げかけ、真の問題を探り、問題解決に繋がる行動計画を立てていく流れを「アクションラーニングセッション」と呼びます。課題についてのチームメンバーが考えていることを明らかにし、メンバー間で共有される本質的な問題を明確にしていく場となります。

セッションには参加者と、コーチが付くのが通常です。
アクションラーニングセッションの進め方については後述します。

アクションラーニングの肝は「質問」

レバンスは「次に何をすべきか誰もわからないような混沌とした状況下において、新鮮な質問をする能力こそアクションラーニングの真髄」であると述べています。

その言葉の通り、アクションラーニングを進める上で、「質問を行うこと」と「振り返ることを繰り返すこと」が肝になります。メンバーは、質問と振り返りを繰り返しながら、問題の全体像を把握・理解し、整理しながらその本質に迫っていきます。整理することによって、問題を根本的に洗い出し、それを解決するための行動を探ります。

この過程の中で学習効果として大切なのが「質問」をすることです。「質問」をすることにより、その人の知恵や記憶を活性化し、同様の現象を受信者にも引き起こします。そして、その過程の中で、個人の内省、気づきが活発となり、思いもよらぬ問題の本質や解決への道筋が見え始めることが多いと言われます。

アクションラーニングの進め方

アクションラーニングではチーム活動における学習、すなわち「チーム学習」に焦点をあて、チーム学習プロセスを企業が支援することで、より早く効果的に組織学習を生み出すことができます。そして、アクションラーニングは、参加するプロセスそのものが効果的な教育プログラムです。したがって、その効果を高めるためにいくつかのポイントを押さえ、プロセス内における自然発生的な学習が確実に行われるように、セッションの環境を整えてあげる必要があります。

1.セッションの準備

例えば、セッションで取り上げる問題は、「組織が直面している現実の問題・課題」である必要があります。
当然ですが、「必ずチームで取り組む」というのも外せません。人数は、多すぎると全員に質問の機会が回らないので、5~8人くらいがちょうどいいようです。
メンバーはなるべく近い職種、近い環境で固めたほうがいいかもしれません。なぜなら、各メンバーの仕事上での経験から解法を得られるからです。
また、問いかけとリフレクションのプロセスを確実に行わせるために、セッションのコントロールを担当するコーチをつける必要があります。コーチは、学習プロセスに注意を払い、ファシリテーター・プロセスコンサルタント的な役割ができる人である必要があります。

2.セッションを始める

環境が整ったら、実際にセッションを開始します。セッションは、質問の投げかけとリフレクション(内省)を中心に行います。セッションがグループディスカッションのようになってしまうと、発言が人に対しての意見になってしまうことが多いので、「質問をする」というルールを徹底してください。

約1時間から1時間半をかけて、「質問」を繰り返しながら、課題についてのチームメンバーが考えていることを明らかにし、メンバー間で共有される本質的な問題を明確にしていきます。
解決したいと考えている問題に関して疑問に思うことをチームメンバーが問いかけることで、問題の共有、理解を促します。その中で、問題をチーム全員で再構築していくことを「問題の再定義(problem reframing)」といいます。

セッションの時間が1時間としたら、40分近く以上の時間をこの再定義プロセスのために費やすことになります。なぜなら、問題の再定義さえメンバーで共有できていれば、その問題の解決のための行動案を生み出すことは非常に容易になるからです。質問のやりとりによるプロセスを経て、課題に対する本当に全員が納得できる解決策や戦略に対するチームの合意が次第に形成されていくため、セッション成功の鍵は、質問の質と数にかかっていると言えます。

アクションラーニングコーチは、セッションを促進する役割を担います。発言があまりないメンバーへ質問を促したり、話題が中心からずれたときに元に戻したり、チームで発生している感情や感覚を観察したりするのが主な役割です。アクションラーニングコーチはグループリーダーでも司会でもない独特の役割のため、ある程度専門的なスキルを学習しておく必要があります。

3.セッションの成果として行動計画を立てる

セッションの最後には、チームとしての課題解決のための行動計画(アクションプラン)をたて、セッション終了後にコーチが、課題解決のための行動を促します。これはアクションラーニングの基本理念である「行動を起こすことと行動から学ぶこと」を実践するためです。

行動計画にはSMART(スマート)の形式で立てるといいでしょう。
SMART(スマート)とは、以下の5つのポイントに基づいて立てるやり方です。

  • SMART(スマート)で計画を立てる

    • S(Specific:具体的であること)
    • M(Measurable:結果がみえやすいこと)
    • A(Achievable:達成可能であること)
    • R(Realistic:現実的であること)
    • T(Time-bound:時間の制約があること)

コーチは、実際の行動を伴わせるために「学習コミットメント」を取っておきます。

4.定期的に繰り返す

こうしたセッションは、通常、2ヶ月から3ヶ月間に1~2時間程度で3~5回設定することが理想的です。
1回だけでなく繰り返し行って習慣化することで、個人の考え方に根付いて初めて仕事ぶりに反映されるのです。

アクションラーニングの効果

アクションラーニングの効果は、「個人」と「組織」の両方に現れます。
個人の能力としては、質問力がアップし、今までと違う視点が持てるようになります。そして、問題の本質を追求できるようになります。
この「個人」の成長が、「組織」の面でも大きな効果を与えます。様々な人に質問したり、意見を聞くことにより、他の人の考え方がわかるようになってくるので、組織内のコミュニケーションがよくなります。
捉え方、考え方や問題意識も共有されるため、最終的には、チームとして物事を考えることが出来るようになります。
アクションラーニングには、単なるディスカッションにはない効果を期待できるのです。

アクションラーニングの事例

NPO法人である日本アクションラーニング協会では、2005年から毎年「エクセレントプログラムアワード」という優秀なアクションラーニングのプログラムを行っている団体を表彰しています。

私が特に注目したのは、キリンビールの行った「質問会議プログラム」です。2010年に受賞したプログラムですが、その時点で40部署、1000名以上が実施しています。アクションラーニングを組織の大多数が体験することにより、その組織の学習カルチャーが格段に変わってきます。特にこの質問会議では、最初に100名~250名が体験したものを、自分の職場(工場やグループ会社なども含む)に持ち帰り、組織の末端まで実施することに成功してます。願わくば、この規模で繰り返し行って、根付くようにしていただければと思います。

その他の事例は日本アクションラーニング協会の導入事例ページをご覧ください。

NPO法人日本アクションラーニング協会~導入事例~
https://www.jial.or.jp/case/

最後に

アクションラーニングセッションが、チームの結束力を効果的に高めるのに効果的であると、アクションラーニングを取り入れた多くの企業が評価しています。

現実問題として、ビジネス上の問題は、その担当者とその上司などの間で話し合われ、対処するケースが多いはずです。そうしてしまうと、その周りの人たちには、その問題の全容や解決の効果は伝わらず、その人だけのスキルアップにとどまり、周りとのコンセンサスも培われません。こうした「ナレッジ格差」はやがて、じわじわとチームの結束力を弱める原因になります。

「アクションラーニングセッション」の「質問」の中で、課題に対するメンバー各自の視点や前提が明らかにされることにより、意識が共有されていきます。
アクションラーニングは、グループのコミュニケーションレベルを向上させ、組織の自律を促し、組織を変容させうるリーダーを育成するのです。
積極的に身近な問題を取りあげて、アクションラーニングセッションに放り込むことにより、ナレッジを共有し、チームの結束力を高めましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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