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コラム

コンピテンシーとは(その2)

2021.12.17

前回は、「コンピテンシー」と「コンピテンシーモデル」についてご説明しました。
自社の各事業部のハイパフォーマーの基礎能力や技術・ノウハウ・習慣に至るまで細かに観察し、その人が「仕事ができる所以」を明確にした「コンピテンシー」を、行動基準や評価基準に導入することによって、他の社員の行動の質を上げていこうというのが「コンピテンシーの活用」です。 「コンピテンシーの活用」には、「コンピテンシー・モデル」と「コンピテンシー・マップ」が使われます。

目次

  • コンピテンシー・マップを作る
  • 採用時にも導入されてきたコンピテンシーモデル
  • コンピテンシーを成長させる人材育成
  • コンピテンシー能力開発に役立つ教材
  • 最後に
  • 関連記事
  • 関連コンテンツ

コンピテンシー・マップを作る

「コンピテンシー・モデル」は、自社の職種に応じて必要な基準を明示することで、社員に明確な目的を与え、業績向上を図るものでした。その企業人として全員に必要とされる共通項目に加えて、職種に応じた専門知識やスキル、人間性などを具体的な目標で提示します。この目標がコンピテンシー・モデルの具体像となり、社員はこれを目標として成長します。

当然ですが、このコンピテンシー・モデルは、成長過程において変化するはずです。

例えば、昇級して管理職などに役職が上がれば、管理職として要求される内容に変化します。こうしたグレードの変化とそれに紐づけた能力試験などをマップにしたものが「コンピテンシー・マップ」になります。

コンピテンシーマップを作り、社員に対して公開することにより、コンピテンシーモデルをただ提示するのではなく、将来的な成長のイメージを植え付けることができるため効果的であると言われています。

採用時にも導入されてきたコンピテンシーモデル

面接で優秀だと判断した人材が、入社後、期待したほどの成果を出せなかったという経験をお持ちの採用担当の方は多いかと思います。
リーダー候補を見極めるのに適した「インシデントプロセス面接」のように、採用候補者の潜在能力を面接で見極めようというのが「コンピテンシー面接」です。つまり採用面接において、予め「できる社員」を採用できれば理想的であるのは言うまでもありません。そこでコンピテンシーモデルを使った面接や採用試験に導入する会社が増えてきたのです。

自社内でのハイスコアラーを分析し、そこから定義されたコンピテンシーを採用試験や面接の要件として取り入れます。すでに自社で成果を上げている人のコンピテンシーモデルなので、これに似た人を採用すれば、その人は成果を残せるのではないか?というのが根拠です。なんとも単純に聞こえますが、自社のハイスコアラーからコンピテンシーモデルを分析し、試験ツールを提供するといったサービスも現れています。

当然ですが、コンピテンシー面接は、通常の採用面接と質問内容が異なります。通常の採用面接では、志望理由、自己PR、前職・学生時代の取り組み、キャリア観、将来像などの質問をして、その受け答えによって総合的に判断します。しかしながら、面接官によって質問方法や評価基準にバラつきが出てしまい、本来、候補者が持っているポテンシャル(もしくはポテンシャルのなさ)を見抜けないことがあります。「コンピテンシー面接」は、面接の評価のブレを少なくし、見込み違いの発生を防ぐのにも有効なのです。
コンピテンシー面接は、候補者の過去の取り組みに関して質問を重ねて、それを具体的に事細かに掘り下げていきます。これにより、候補者の「行動動機」「思考方法」「実務能力」などをあぶりだすのです。候補者が説明する一連の内容(取り組みにおける問題解決プロセスなど)に矛盾がなく、候補者が持つスキルなどが自社のハイパフォーマーと照らし合わせて再現性があると感じられれば「コンピテンシーがマッチしている」と判断できます。

志望者の多い大企業では、コンピテンシーの考え方を、面接前のアンケートやテストに盛り込んで、事前にふるいをかけて候補者を絞り込むのに使っている企業もあります。

「コンピテンシー面接」は、Googleで採用している面接方法「構造化面接法」のなかの一つ、候補者の過去の取り組みについて質問を重ねて細かく聞き出す「行動面接(STAR面接)」にも取り入れられているそうです。

コンピテンシーを成長させる人材育成

コンピテンシーを成長させるための人材育成は、従来の新入社員研修や中堅社員研修、管理職研修などの階層別教育や、語学やPCスキルアップ研修などと異なります。コンピテンシーは行動特性を明文化したものなので、コンピテンシーによる能力開発(コンピテンシー開発)は「行動」に焦点をあてて行われなければいけません。

実際にその効果を測定される場合には、まず「行動変革あるいは行動の習慣化が行われているか」を観察し、中間成果の改善あるいは達成を判断します。そして最終的には業績の改善あるいは向上がみれらるかを数値的に判断します。コンピテンシー開発は、業績に直結しており、その影響をデータなどできちんと把握できるようにすることが大切です。

コンピテンシーの能力開発において重要なのが、上司や先輩による「コーチング」や「メンタリング」などのフォローです。対象者の行動や結果に対して、的確でタイミングの良いフィードバックを与えることにより、コンピテンシー開発のプロセスがスムーズに働きます。

コンピテンシー能力開発に役立つ教材

コンピテンシーモデルを使って人材育成を行うことにより、全体の成果が上がる可能性が高まります。また、現在目立たなくても、好業績を生む可能性を持った人を、埋もれさせずにすむ可能性があるのです。

コンピテンシー能力開発においては、行動特性を促すビジネスマインド系と、その行動を支えるスキルとして、コーチング、リーダーシップ、モチベーションなどの人材開発教材、トレーニングなどが使われます。弊社でも、クライアントのコンピテンシーに基づいたコンピテンシーマップを作り、それに教材を配置する形でLMSを提供しています。

最後に

コンピテンシー能力開発では、本人の自覚とそれを定期的に評価するシステム、そして、スキルアップのツールの提供が必要です。
何よりも大切なのは、自社のハイパフォーマーの行動分析をしっかり行い、因果関係を明確に分析したうえで、正しくコンピテンシーモデル設定することです。そのプロセスで「自社の強み」と照らし合わせてコンピテンシーモデルを決定すると良いかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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