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オンボーディング研修とは?目的やメリット、効果的な実践方法や成功させるためのポイントを徹底解説!

  • akikotakatsuto
  • 6 日前
  • 読了時間: 27分

オンボーディングは、新入社員が企業文化や業務内容にスムーズに適応できるよう支援する重要なプロセスです。


近年、企業はオンボーディングの強化に注力しており、「新卒/中途社員への「オンボーディング」実態調査※1」によると、大手企業におけるオンボーディングの実施率は86.5%にのぼります。


「オンボーディングについての調査※2」によると、オンボーディングが充実している企業とそうでない企業では、”定着率”と”パフォーマンス”に大きく差がでています。


オンボーディングが充実している企業の”定着率”は、新卒入社者で63.4%であるのに対し、充実していない企業では50.0%と、13.4ポイントの差がでています。また、中途入社者では、充実している企業が78.6%、充実していない企業が56.6%と、こちらでも22.0ポイントの差がでています。


”パフォーマンス”評価についても、充実している企業の新卒入社者が68.3%、充実していない企業が41.3%と、27.0ポイント差。中途入社者では充実している企業が92.9%、充実していない企業は63.2%と、29.7ポイントもの差がうまれました。


オンボーディングが社員の定着率やパフォーマンスに大きく影響を与えることが伺えます。


本記事では、成功するオンボーディングの鍵と、企業が持つべき戦略について詳しく解説します。




 

目次



 


オンボーディングとは?               


オンボーディングとは、新入社員が企業文化や業務内容に迅速に適応できるようにするためのプロセスであり、これには新卒社員だけでなく中途入社の社員も含まれます。このプロセスは、入社初日から始まり、数週間または数ヶ月にわたって継続されます。

企業にとって、オンボーディングは新入社員が早期に能力を発揮できるようにする手段であり、長期的な定着と成功を促進します。具体的には、企業のビジョンや価値観の理解を深め、必要なスキルや知識を学ぶ機会を提供します。これにより、生産性の向上と組織力の強化が期待できます。



オンボーディング研修とは?


オンボーディング研修は、新入社員がスムーズに業務を開始できるように設計された特別な研修プログラムです。

この研修には、企業の理念や目標の説明、日常業務で必要なツールやシステムの使い方、業務プロセスの実践的な理解が含まれます。


オンボーディング研修を成功させるためには、オンラインモジュールやワークショップの活用、あるいはメンター制度を導入することが効果的です。これにより、新入社員は業務に自信を持って取り組むことができ、企業の期待に応じたパフォーマンスを発揮する準備が整います。



なぜオンボーディングが必要なのか


オンボーディングは、新入社員の迅速な適応と企業への定着を支援するために重要です。


新入社員は、企業文化や業務内容に対する理解が不足しているため、不安が生じがちです。オンボーディングはこれを解消し、全ての新入社員が企業の目標を理解し、積極的に業務に携われるようにします。オンボーディングが不十分だと、早期に離職する可能性が高まり、その結果、採用コストが増大します。


効果的なオンボーディングは、人材を最大限に活用し、企業の成長を支える基盤となります。



オンボーディングと新入社員研修の違い


オンボーディングと新入社員研修はしばしば混同されがちですが、目的と範囲に違いがあります。


新入社員研修は通常、入社直後の短期プログラムに焦点を当てており、企業の基本情報、ポリシー、業務に必要なスキルや知識を習得する目的で行われます。

一方、オンボーディングはより包括的なプロセスで、新入社員の企業文化への適応、社内ネットワークの構築、長期的な職務遂行能力の向上を支援します。このプロセスにはメンターシップや定期的なフィードバックが含まれ、入社から数ヶ月にわたって持続的に実施されます。


実質的に、オンボーディングは新入社員研修を含み、企業全体での成功と長期定着を目指す総合的な戦略です。



オンボーディングの目的               


オンボーディングの4つの主な目的を解説します。



早期適応と定着の促進


オンボーディングの目的の一つは、新入社員が職場環境や業務内容に早く適応し、長く定着できるよう支援することです。


新しい職場では、情報が不足しがちで、多くの新入社員が期待と不安を抱えています。オンボーディングを通じて、業務の進め方や社内の人間関係が理解しやすくなるような取り組みが求められます。

このプロセスは、職場での孤立感や業務上の混乱を減らし、離職率の低下につながります。また、早期に職場に適応することで、社員はすぐに成果を上げ、企業にとってより価値のある存在となります。


長期的には、効果的な適応と定着のプロセスが、採用コストの削減や人材育成の効率化を実現します。



生産性の向上


オンボーディングのもう一つの重要な目的は、新入社員が早くから高い生産性を発揮できるようにすることです。


新入社員が業務内容をしっかりと理解し、必要なスキルを身につければ、その貢献度は自然と高まります。そのためには、入社初日から適切なトレーニングプログラムやリソースを提供し、スキルと知識を迅速に学べる環境を整えることが重要です。加えて、メンター制度や定期的なフィードバックを導入することで、新入社員は日々成長し続けることができます。

これらの取り組みにより、社員は自信を持って効率的に業務を遂行できるようになります。


こうしたプロセスは、企業のリソースを最適に活用し、迅速に成果を上げるために欠かせません。最終的に、組織全体の目標達成と生産性向上につながります。



企業文化の浸透


オンボーディングは新入社員が企業文化を深く理解し、会社の一員としての自覚を高めるために重要な役割を担っています。


企業文化は、企業の価値観やビジョン、そしてミッションに根ざしています。オンボーディングを通じてこれらを明確に伝え、新入社員が企業の求める行動基準を理解することで、職場において一貫性のある行動を取るようになります。また、文化に根差したワークショップやイベント、セミナーを実施することで、実践的に企業文化を体得できる機会を提供します。


このような取り組みは、新入社員が「この会社に合っている」という認識を持ちやすくし、企業に対する深いエンゲージメントを生むのです。結果として、企業は高いモチベーションを持った社員を保有し、組織全体のパフォーマンス向上につながります。



自己効力感の向上


自己効力感とは、自らの能力で業務を成功に導けると信じる力のことです。


オンボーディングを通じて、新入社員が必要な知識やスキルを学ぶと、自己効力感が向上することに繋がります。自分が業務を遂行できるという自信を持つことで、新入社員はより積極的に業務に取り組む姿勢を育むことができるのです。


具体的には、成功体験を積む機会を増やすことが自己効力感の向上に寄与します。初めは小さな目標設定から始め、徐々に大きな課題にチャレンジしていくことで自信を持たせることが重要です。また、定期的なフィードバックやメンタリングを行うことで、新入社員の成長を支援し、自信を持たせることができるでしょう。こうした取り組みが、組織の活力を引き出す要因ともなります。



オンボーディングのメリット             


オンボーディングを実施することは、企業にとっても新入社員にとっても多くのメリットをもたらします。



企業側のメリット


企業側のメリット「定着率の向上とコスト削減」と「ブランド価値の向上と競争力強化」について解説します。


■定着率の向上とコスト削減


効果的なオンボーディングの実施により、早期離職のリスクを大幅に軽減できることは、企業にとって大きなメリットです。


新入社員が気持ちよく職場に慣れていくプロセスが整っていることにより、企業は人材の流出による業務の停滞を防ぎ、継続的な成長と生産性の向上が期待できます。安定したチームは、組織内のノウハウや専門知識、そして人間関係の維持に寄与し、より効率的で強力な業務遂行が可能になります。


離職率を低くすることにより、採用活動や新人研修にかかる経費を大幅に削減できます。頻繁な離職があると、新たな人材を採用し育てるための時間とリソースが多く消費されますが、オンボーディングを通じて社員の定着率が向上すれば、それらの無駄を減らすことができます。これにより、企業は必要最小限のリソースで最大の成果を生むことができ、全体的な運営効率が向上するため、より競争力を強化することが可能です。



■ブランド価値の向上と競争力強化


オンボーディングはブランド価値の向上と競争力強化にも寄与します。


新入社員にとって、入社後の最初の数ヶ月は非常に重要で、ここでの体験がその後の企業への印象を大きく左右します。効果的なオンボーディングは、新入社員が企業のサポート体制や文化に対して高い満足度を感じる機会を提供します。このポジティブな体験は、社内でのエンゲージメントを高めるだけでなく、家族や友人、そしてSNSを通じた外部への語り口でも企業の好印象を広めます。現代の情報社会において、社員自身が企業の推奨者として活躍することは、良好な企業イメージの構築に非常に有効です。


こうした社員の高い満足度とエンゲージメントは、企業文化の強化に寄与し、結果として競争力の強化につながります。ブランド価値の向上と競争力の強化により、市場でのポジションが盤石になり、優秀な人材を惹きつける力が高まり、企業の持続的な成長が可能となります。



新入社員側のメリット


企業側のメリット「社内ネットワーク構築と関係の深化」と「キャリア成長の基盤構築」について解説します。


■社内ネットワーク構築と関係の深化


社内ネットワークの構築は、新入社員にとって重要なステップであり、これによって職場環境に対する安心感が高まります。


入社直後は、新しい環境での孤立感や不安感が少なからず存在します。オンボーディングプロセスがしっかりと整備されていると、新入社員はチームビルディング活動やメンター制度、部門横断的なプロジェクトなどへの参加を通じて、職場の人々とのつながりが深まります。

このようなネットワークができると、仕事上の支えが増え、色々な視点やアドバイスをもらえる場面が増えてきます。結果として、新入社員は職場に早く馴染むことができ、安心して働くことが可能になります。


こうした良好な人間関係は、業務を円滑に進める助けとなり、企業への愛着も深まりやすくなります。



■キャリア成長の基盤構築


新入社員にとって、オンボーディングはキャリアの成長を促進するための基盤ともなります。


初期段階で行われるオンボーディングは、新入社員にとって企業の文化や価値観の理解を深め、組織内での役割を明確にする絶好の機会です。このプロセスの中で、新入社員は必要なスキルや知識を体系的に学び始めることができ、職場での自己効力感を高めます。さらに、オンボーディングではメンターや上司からの指導やフィードバックが定期的に得られるため、自分の強みや改善点を早期に把握できます。


こうした経験は、新入社員が自らのキャリアパスを描く際の重要な指針となり、将来にわたる職務経験を豊かにする基盤となります。また、企業の期待に応えることで、社内での評価や信頼を築くチャンスが増え、長期的なキャリアアップにつながる可能性が高まります。

このような環境でスタートを切ることで、新入社員は自信を持ってキャリアを積み重ねていくことができるのです。



オンボーディングの効果的な実践方法         


オンボーディングを効果的に実施するためには、いくつかの具体的な方法を取り入れることが重要です。これにより新入社員が職場に慣れる過程をスムーズにし、早期の戦力化を促進します。


以下に、実践的なアプローチをいくつか紹介します。



1.事前準備


オンボーディングの成功は、事前準備から始まります。


新入社員がスムーズに初日を迎え、安心して職務に取り組めるよう、入社前に必要な情報を提供することが重要です。具体的には、初日のスケジュールや業務の流れ、企業文化についての概要を伝えることが含まれます。また、会社の期待事項を明確に伝えることで、新入社員は自分の役割を理解し、目指すべき方向性を持つことができます。これにより、初日に不安なく、積極的な姿勢で入社することができ、スムーズな適応を促進します。


このような事前準備は、企業が新入社員に対して責任を持って迎え入れる姿勢を示し、信頼関係を築く第一歩となります。



2.序盤のサポート強化


新入社員の初期段階を周囲がサポートすることは非常に重要です。

入社後の数週間は、特に不安や疑問が多くなる時期であり、周囲のサポートが不可欠です。新人が仕事の進め方や社内のルールを理解するために、担当者や先輩社員が手厚くフォローする体制を整えることが大切です。


初日オリエンテーションも同様に効果的です。一日を使って企業の文化、理念、基本的な業務ルールを理解する機会を提供します。これにより、新入社員は企業の期待に即した行動を開始しやすくなります。また、定期的にコンディションをヒアリングする機会を設けることで、新入社員が業務に抱える疑問や不安を早期に解消できます。


積極的なコミュニケーションを奨励する文化を育てることが、チーム全体の結束力も高める結果につながるでしょう。



3.メンターシッププログラム


メンターシッププログラムは、新入社員が迅速に業務に適応するための強力なサポート体制です。


各新入社員に経験豊富な社員をメンターとして配置することで、業務上の質問だけでなく、個人的な悩みやキャリアのアドバイスも得られる環境を提供できます。メンターは、新入社員が直面するさまざまな課題を一緒に解決し、安心して業務に取り組むための指導役となります。このプログラムを通じて、新入社員は職場での信頼関係を築きやすくなり、長期的なキャリア成長の基盤を形成することができます。メンターによる継続的なサポートは、新入社員の定着率を向上させ、企業全体のパフォーマンス向上にも寄与します。


このプログラムは、メンター自身にとっても指導力やコミュニケーションスキルを高める機会となるため、全体的な企業力を向上させる素晴らしい施策です。



4.実践型トレーニング


実践型トレーニングは、新入社員が必要なスキルを短期間で磨くために非常に効果的です。単なる座学ではなく、実際の業務を通じて学ぶことで、理解が深まります。こうしたトレーニングでは、職場でリアルタイムにフィードバックを受けられ、新入社員の成長を促進します。


内容は業務に直結したものであることが重要で、実際のプロジェクトやケーススタディを通じてスキルを身につけることで、職場ですぐに役立つ能力が向上します。また、ワークショップを開催することで、インタラクティブな学習環境を提供し、参加者同士のコミュニケーションも活発になります。これにより、新入社員は自信を持って業務に取り組むことができ、急速な成長を遂げることが可能です。


実践型トレーニングは、理論と実践をバランスよく取り入れることで、即戦力としての基礎を築くための重要な役割を果たします。



5.定期的なフィードバック


定期的なフィードバックは、新入社員の成長に欠かせません。入社後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月といった節目に評価面談を実施し、新入社員、上司、人事担当者が進捗状況を確認します。

このプロセスでは、具体的な改善点や達成すべき目標を明確にし、新入社員がどのように成長しているかを把握する機会を提供します。


フィードバックは、具体的かつ建設的なものであることが重要です。ポジティブな点もあわせて伝えることで、自信を持たせ、さらなる成長を後押しする役割を果たします。


フィードバックは一方通行ではなく、新入社員自身が自己評価を行うことも含まれます。自己評価を通じて、新入社員は自分の強みと弱み、学ぶべきスキルをより深く理解することができます。こうした機会を定期的に設けることで、新入社員は自身のキャリア開発の方向性を明確にし、より積極的に学び成長し続けることができます。また、上司と新入社員の間に信頼関係が築かれ、日常業務でのコミュニケーションがスムーズになります。


定期的なフィードバックは新入社員が迅速かつ効果的に職場に適応し、成長するための支えとなります。



6.社内ネットワーク構築


社内ネットワークの構築は、新入社員が職場に馴染み、安心して働くための基盤を作ります。定期的な交流イベントを企画し、新入社員が部署を超えてさまざまな社員と交流できる機会を提供することが重要です。

これにより、異なる視点や経験を持つ人々と関係を築けるため、柔軟な発想や新しいアイデアを生む助けになります。


入社メンバー同士の交流ワークや、ウェルカムランチ、部署を跨いだプロジェクトに参加する機会を提供することで、新入社員は自らの役割を超えて広範なネットワークを築くことができます。こうした取り組みは、コミュニケーション能力を向上させるだけでなく、問題解決力やチームワークを強化し、職場全体の活性化にもつながります。


新入社員が安心して相談できる環境を整えることで、チームの連携力が高まっていくことでしょう。



7.テクノロジーの活用


テクノロジーの活用は、オンボーディングを効率化し、新入社員のスムーズな適応を促進します。LMS(学習管理システム・eラーニングシステム)を導入することで、新入社員はオンラインで必要な教材にアクセスし、自分のペースで学ぶ環境を提供できます。

これにより、場所や時間にとらわれず、必要なスキルを効率的に習得することが可能です。リアルタイムでの進捗管理や評価も行えるため、個々の成長を把握しやすくなります。


また、コミュニケーションツールを活用することで、日々の業務における連絡や情報共有がスムーズに行えます。こうしたツールの使い方を詳しく教えることで、新入社員は迅速に職場の流れに慣れることができます。


テクノロジーを活用することで、情報の透明性が高まり、新入社員が安心して業務を進めることができる環境が整います。結果として、仕事の効率が向上し、新入社員の成長が促進されます。



オンボーディングを成功させる3つのポイント     


効果的なオンボーディングプロセスを確立するには、いくつかの重要なポイントを押さえることが大切です。これらのポイントを実践することで、新入社員が組織に早く慣れ、成果を出せるようになります。


個別化されたサポート、明確なコミュニケーション、企業文化の共有が特に重要な要素と言えます。



個別化されたサポートの提供


オンボーディングを成功させるためには、新入社員一人ひとりに合わせた個別化されたサポートが重要です。新入社員の背景、経験、スキルセットはそれぞれ異なるため、一律のアプローチでは適応が難しくなります。


各々の新入社員に対して、必要なサポートやリソースをカスタマイズすることで、早期の適応を促進します。例えば、教育プログラムをカスタマイズしたり、経験豊富なメンターを配置し個別の疑問や課題について随時相談できる環境を整えることが効果的です。オンボーディングプロセスをパーソナライズすることで、新入社員は自分が大切にされていると感じ、企業への信頼感を深めます。また、この個別のサポートにより、新入社員は自分のペースで成長でき、自信を持って業務に取り組むことができます。


個別化された支援は、会社と新入社員との良好な関係を築く基盤となります。



明確なコミュニケーションとフィードバック体制


オンボーディングの過程では、コミュニケーションが中心的な役割を果たします。新入社員と先輩社員、上司との間でオープンな対話を促進することが重要です。明確なコミュニケーションがあれば、新しい環境に対して不安や疑問があっても相談しやすくなります。


職場環境や業務内容に迅速に適応するためには、自分の役割や期待されることがはっきりしている必要があります。明確なコミュニケーションがあることで、新入社員は業務の全体像や各プロジェクトの目的を理解しやすくなり、不安を軽減できます。また、定期的なフィードバックは成長を促進します。具体的なアドバイスを受けることで、新入社員は自分の強みと改善が必要な点を把握し、次に何を目指すべきかを明確にできます。これが持続的な成長への道を開きます。


適切なフィードバックはモチベーションの維持にも貢献します。自分の努力が評価されていると感じることで、働く意欲が自然と高まり、このような体制は信頼関係の構築にも寄与します。オープンで誠実な対話が可能になることで、職場全体の雰囲気が良くなり、新入社員はチームの一員としての自覚とプライドを持ちやすくなります。


このように、コミュニケーションとフィードバック体制をしっかりと構築することが、成功するオンボーディングには欠かせません。



企業文化と組織目標の共有


企業文化と目標の共有は、社員の一体感を生む上で重要な役割を果たします。新入社員がうまく会社に馴染むには、企業が大切にしている価値観を理解してもらうことが必要です。会社のミッション、ビジョン、バリューをしっかりと伝えることで、新入社員は自分の仕事がどのように会社全体の成功に貢献できるかを知ることができます。


企業文化の浸透は、社員同士の関係性を高め、チーム全体の団結力を引き出します。例えば、企業の歴史や成功事例、トップからのメッセージ共有を通じて、理念がどのように活かされているかを具体的に示すことで、日常の業務にどのように関連しているか具体的に伝えることができます。このプロセスを通じて、新入社員は組織の一員としての意識が高まり、貢献感を持つことが期待されます。



企業のオンボーディング施策の事例          


オンボーディング施策は、企業の成長を支えるために欠かせない取り組みです。具体的な成功例を通じて、効果的な施策がどのように実施されているかを理解することができるでしょう。


ここでは、サイボウズ株式会社、LINEヤフーグループのオンボーディング施策を取り上げ、それぞれの特色や結果を探ります。



サイボウズ株式会社


サイボウズ株式会社は、「チームワークを発揮するために必要な要素を理解し、やるべきことに前向きに取り組むことで、期待通りにチームに貢献できる」ことをコンセプトに、新卒・中途入社メンバーそれぞれに適したオンボーディングプログラムを実施しています。


新卒入社者向けには、1年間を通して個人の自立とチームワークを重視した研修プログラムを提供し、社会人としての基礎を築きます。3週間の初期研修を経て、各部門での実務トレーニングが行われ、1年目にはフォローアップ研修も実施されます。


キャリア入社者には6ヶ月のプログラムがあり、サイボウズの文化や価値観の理解を深めることを重視しています。新入社員が即戦力としてだけでなく文化的にもフィットするよう支援しています。


情報はすべてオンボーディングプラットフォームであるkintoneに集約され、新入社員が必要なときにアクセス可能です。さらに、「サイボウズアカデミア」というプログラムを通じて、社員の自主学習を支援し、勉強会や研修の情報提供を行い、継続的なスキルアップをサポートしています。




LINEヤフーグループ


LINEヤフーグループは、社員がパフォーマンスを最大限に発揮し、組織全体の成長力向上に寄与するためにも、社員の成長を促進支援することが最重要課題の一つと考え、新卒新入社員、中途入社社員を対象に、オンボーディングプログラムを実施しています。


入社直後のオリエンテーションの提供をはじめ、社内で業務を行うのに必要な知識を効率的に習得するeラーニング群の案内、社内情報集の提供、入社一定期間後のフォローアップアンケートなどを行い、入社者が早期にパフォーマンス発揮できるようサポートしています。また、オンボーディングにおいては、受け入れ部門側の知識・マインドセット、トレーニングも重要であると考え、新卒入社者の受け入れ部門にはOJT担当者向けトレーニング、中途入社者の受け入れ部門にはメンター向けの受け入れの手引きを配布するなど、力を入れています。


「LINEヤフーアカデミア」と名付けられた企業内大学では研修プログラムを幅広く提供。リーダーの育成を担うとともに、LINEヤフーグループ社員が学び合い、教え合う、学びのコミュニティとして運営されています。




オンボーディングにはLMSの活用がおすすめ      


LMS(学習管理システム/eラーニングシステム)は、オンボーディングプロセスを効率化するための優れたツールとして注目されています。特に新入社員にとって、柔軟な学習環境を提供することが重要です。


LMSを活用することで、社員は自己のペースで学ぶことが可能であり、業務に必要な知識を身につけやすくなります。



柔軟な学習環境の提供


LMS(学習管理システム)は、従業員が自分のペースで学習できる柔軟な環境を提供します。オンラインでアクセスできるため、場所や時間に縛られずに必要な教材を利用することが可能です。


例えば、新入社員は入社前に基礎知識を学んでおくことで、初日からスムーズに業務に取りかかれます。特にリモートワークが増えている現代では、LMSはどこからでも学習を進められるため、重要な役割を果たします。また、出張中や移動中でも手元のデバイスから簡単にアクセスできるため、時間を有効に活用できます。


LMSの柔軟性は、異なるバックグラウンドやスキルレベルを持つ多様な社員に対応するうえで非常に効果的です。社員の自己効力感を高め、より充実した学習体験を提供します。



■LMS「SmartSkill Campus」は、アプリ対応 アクセスコントロールとセキュリティにより、機密情報も配信可能


多機能型LMS「SmartSkill Campus(スマートスキル キャンパス)」は、PCだけでなくアプリにも対応しているため、スマートフォンやタブレットからも簡単にアクセスができます。場所や時間に制約されず、社員の学びを最大限にサポートします。


また、SmartSkill Campusは堅固なセキュリティ対策を実施しています。加えて、講座毎に様々なアクセスコントロールが設定可能です。社外からのアクセス制限や、資料のダウンロード・印刷不可設定等細かくアクセスコントロールができるため、機密性の高いコンテンツも安心して登録いただけます。












統一された情報提供


LMSを導入することにより、企業全体で統一された情報を提供することが容易になります。新入社員は、どの部署に配属されても同じ品質の教育を受けることができ、企業の文化やルールに対する理解が深まります。


このように情報が統一されることで、社内の教育水準が維持され、バラツキを防ぐことができます。各部署でのトレーニング内容に差異があると、新入社員は混乱しがちですが、LMSを利用することによって一貫性が確保され、安心して業務に取り組めるようになります。



■LMS「SmartSkill Campus」は、他の学習プラットフォームとも連携可能 学習情報を集約できる


SmartSkill Campusは、全ての学習情報を集中管理し、社員が必要なコンテンツに迅速かつ容易にアクセスできる環境を実現します。


他の学習プラットフォームとも連携が可能で、受講者はログインの手間なく自由に学習ができます。

SmartSkill Campusに全ての教育履歴/受講履歴を取り込み一元管理することで、管理者は受講者全体の傾向や課題などを分析し、効果的な人財育成戦略の立案や改善策の特定に役立たせることができます。

受講者にとっても、学習履歴を振り返りながら自身の成長や進歩を把握することができ、キャリア開発へのモチベーションを上げることができます。

























進捗管理と評価


LMSを使用する利点の一つには、進捗管理と評価がしやすいことが挙げられます。システム内で各新入社員の学習状況をリアルタイムで把握することができ、誰がどの程度学んでいるのかを明確に示すことが可能です。


この情報をもとに、指導役や管理者は必要な支援やフィードバックを提供しやすくなります。進捗が思うように進まない場合は、その原因を特定し、迅速に対応することで新入社員の成長を促進することができます。定期的な評価も行えるため、目標達成度を測定することができ、教育の質を向上させるための基準にもなります。



■LMS「SmartSkill Campus」は、上司やメンターも進捗状況を見ることができる


SmartSkill Campusは、人事部門だけでなく、直属の上司やメンターも受講者の進捗状況を確認できます。上司やメンターが受講者の能力要件や学習状況をフォローすることで、各受講者に合わせた成長機会の提供・現場支援を可能にします。人事部門、上司やメンター、受講者本人が三位一体となり、「個」ではなく「組織」で学び高め合う環境を実現できます。







多様な学習コンテンツの提供


LMSを活用すると、幅広い学習コンテンツを新入社員に提供できることが大きなメリットです。動画、クイズ、ドキュメントなど多様な形式の教材を組み合わせて取り入れることができ、さまざまなスキルレベルの社員が最も効果的に知識を吸収できる環境を整えることができます。


多彩なコンテンツを用意することで、社員の興味を引きやすく、積極的な学習姿勢を促進することも期待できます。新規教材の追加や更新も容易であり、最新の情報をすぐに提供できるため、変化が激しい業界でも迅速に対応可能です。これにより、社員のスキル向上が促進され、結果として企業全体の生産性と競争力が向上できることも、LMSの強みです。



■LMS「SmartSkill Campus」は、多様な教材を組み合わせて自由に学習コンテンツを作成できる


SmartSkill Campusは、汎用の学習コンテンツもオリジナルの学習コンテンツも配信できます。

各階層に役立つ450以上の動画コンテンツ及びテストを標準搭載しているため、すぐにでも利用開始いただけます。


SmartSkill Campusは、学習コンテンツ作成の自由度が高く、研修内容や育成テーマに応じ、集合研修申込、eラーニング、動画、資料、テスト、アンケート、課題提出を自由に組み合わせて講座を作成することができます。


また、PowerPointを簡単にeラーニングコンテンツ化する機能も有しており、企業独自のノウハウや業界・組織に特有の知識・スキル、ベストプラクティスを簡単に共有することができます。課題解決に最適化されたeラーニングコンテンツを用意することで、受講者はより実用的で有用な内容が学べ、業務改善に役立てることができます。










継続的な学習とアップスキリング


オンボーディングは入社初期にとどまらず、継続的な支援が重要です。LMSは、社員が新しいスキルを習得し続けるための効果的なプラットフォームとして機能します。定期的なトレーニングやスキルアップのためのコンテンツを用意することで、社員は必要なタイミングでスキルアップや新しい知識の取得を行うことができます。


また、アップスキリングのニーズに応じて、個々のキャリア目標に合った学習コンテンツの提供が可能です。これにより、社員の能力向上が促進され、企業全体の競争力を高めることができます。



■LMS「SmartSkill Campus」は、学習意欲を高める機能を多数実装


SmartSkill CampusはAIを搭載しており、一人ひとりに最適な学習コンテンツをレコメンドします。AIが分析に基づいておすすめする講座は受講者が興味を持ちやすく、学習の習慣化へも効果を発揮します。


レコメンドは管理者が制御することも可能で、階層や職種に応じて意図をもって表示することで、企業の人財育成戦略を反映させることができます。


その他、ゲーミフィケーションの要素を取り入れた「ポイント機能」や、情報共有やディスカッションができる「コミュニケーションボード」の活用により、受講者の学習意欲を促進します。


アップスキリングとしては、アウトプット訓練もおすすめです。SmartSkill Campusは、AIを相手としたロープレができます。例えば営業であれば、トップセールスのトークを教材化して相手に響くプレゼンができるようにするシナリオトレーニングができます。その他、人事の採用面接練習や、コールセンターの対人スキル強化など、様々なスキルを向上します。
















費用対効果


LMSの導入には初期投資や運用コストが必要ですが、研修内容の配布、受講者の進捗管理や評価を自動化することにより、人事担当者の研修運営工数の負担を大きく軽減することができます。また、紙の教材や講師を使った従来型の研修と比べて、時間や人件費を大幅に削減することが可能です。


LMSを通じてオンライン学習を提供することにより、リモートワーク環境でも社員が学習しやすくなり、業務の中断を最小限に減らすことができます。教材や補足資料が一元管理されているため、受講者は必要な情報をすぐに見つけ出し、効率的に学習を進めることができます。



■LMS「SmartSkill Campus」は、人事担当者の運用工数を大幅削減できる


SmartSkill Campusは、集合研修の申込、資料やアンケートの配布、出欠確認(Web開催の場合)、課題提出など、研修に関わる一連の作業を一括で実施することができるため、人事担当者の運用工数を大幅に削減することができます。


受講が終わっていない未修了者、アンケート未回答者、課題未提出者等を自動抽出し、自動でメールを送ることもできるので、受講者を適切にフォローしながら修了まで導くことができます。



















 


まとめ                       



オンボーディングは新入社員が企業文化や業務プロセスに迅速に適応し、即戦力として活躍するための重要なステップです。


適切に設計されたオンボーディングプログラムは、社員の定着率向上や生産性の増加に寄与し、企業全体の競争力を高めます。個別化されたサポートや明確なコミュニケーション、フィードバック体制を強化することで、新入社員は安心感を持ちながら成長することができます。企業はオンボーディング期間に自社のミッションや価値観をしっかりと共有することで、社員のエンゲージメントを深めることができ、これは長期的な成功への投資と言えるでしょう。


近年は、オンボーディングにLMS(学習管理システム/eラーニングシステム)を活用する例が増えています。LMSの活用により、新入社員の学習環境が整備され、いつでもどこでも必要な知識を習得できるようになります。また、人事担当者の運用工数も大幅に削減できます。


ぜひ最新のテクノロジーを活用しながら、オンボーディングを成功させてください。



 





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