社内研修を効率化するには?効率的な研修を運用するポイントを解説
- akikotakatsuto
- 3月31日
- 読了時間: 14分
更新日:4月1日

「業務の円滑化のために社内研修を効率的に改善したい」「研修にかかるコストや時間を削減したい」といった課題を抱えている人事研修担当の方も多いのではないでしょうか。
研修開催にかかるコストや時間の削減、またその適切な効果測定が課題になっている企業も多い中、まずは、現在の業務や研修の課題を整理して認識し、効率的な研修プログラムを構築することが重要です。
eラーニングを活用すると場所や時間を選ばず学習を進められるため、研修の効率化が期待できます。次に、実際に研修を運用していくために、学習対象者の業務課題を可視化した上で、研修の目的と目標を明確に設定することが必要です。
このコラムでは、研修プログラムの効率化や改善ポイント、さらには研修を通じて、業務改善を実現していく進め方について解説します。
目次
研修を効率化する方法
効率よい研修を運用するためには、社内研修のカリキュラムの見直しが欠かせません。研修が実務に活用できない、または業務のニーズに合致していない場合、効果が薄れてしまいます。まずは現在の研修の課題を明確に把握し、問題点を洗い出すことが重要です。
次に、効率的な研修を実現するために教育体系の見直しを行います。eラーニングを活用すると時間や場所を選ばずに学ぶことができるため、受講者の負担を軽減し、参加率の向上を期待できます。
カリキュラムと教育体系を見直すことで、研修の重要性を再認識して運用改善につなげることができます。
現在の業務と研修の課題を把握する
研修の効率化を図るには、まず現在開催している研修に関する課題を正確に把握することが不可欠です。そのためには、研修の流れを可視化し、詳細を整理する手法が有効です。また、研修に参加している社員へのヒアリングを通じて、実際の研修開催における問題点や意見を集めることが重要です。
これにより、従来の研修方法が適切か、例えば対面研修がメインの企業であれば、オンライン形式やeラーニングへの移行が望ましいかを見極められます。不要な研修関連業務が残っている場合は、それを削減することで業務効率を向上させられます。さらに社内のリソースを最大限に活用して研修制度を見直していくことが、全体の効率化につながります。
教育体系を見直す
研修の効率化を図るためには、教育体系の見直しも欠かせません。このプロセスでは、まず経営課題や現場のニーズを明確にすることが求められます。経営戦略に基づき、必要なスキルや知識を特定することで、研修の方向性が見えてきます。
また、LMS(学習管理システム:Learning Management System)の活用は業務効率化に貢献します。LMSを通じて研修プログラムをデジタル化し、進捗管理やフィードバックの受け取りを容易にすることで、受講者の理解度をリアルタイムで把握できます。こうした取り組みを行うことで、より効果的な研修が実現され、組織全体のパフォーマンス向上に寄与することが期待されます。
▼ LMSとは
オンライン研修を取り入れる
最近では、従来の集合型対面研修ではなく、eラーニングを通じたオンライン研修を導入する企業が増加しています。メリットとして、従来の集合型対面研修に比べて、柔軟な時間管理や場所を選ばない学習環境を提供する点があげられます。受講者は、自らのペースで業務の合間を縫って学習を進めることができます。
さらにLMSを活用することで、研修内容の整理や学習進捗の管理が容易になります。受講者はいつでも教材にアクセスでき、理解度を確認しながら学習を進められます。加えて、受講履歴や成績を一元管理できるため、管理者側は研修の効果を測定しやすくなります。業務効率化の一環としてオンライン研修は非常に有効な役割を果たすでしょう。
運用業務にかかる労力・手間を削減する
研修の実施には講師による指導だけでなく、下記のような多岐にわたる運用業務が伴い、研修運営時の負担となるケースが多いです。
・受講案内
・学習状況の管理
・事後課題の配布
・効果測定
・アンケート集計 等々
まずは、これらのオペレーション業務を洗い出し自動化や削減の可能性を探ることが重要です。LMSを導入することで、研修に関連した多くの業務が自動化され、手間を大幅に軽減できます。これにより、研修をより効率的に実施できるようになるでしょう。
|参考記事:
レビックグローバルのLMS『SmartSkill Campus』では、研修運用時の業務負担を軽減する様々な機能をご用意しております。
▼集合研修の申込・受講管理
▼自動リマインドメール
効率的な研修を進めるためのステップ
研修を効率化するための具体的なステップを紹介します。
まず、対象者の業務課題を可視化し、どのスキルや知識が必要かを洗い出します。次に、研修の目的と目標を設定し、何を達成したいのかを明確にします。続いて、具体的な研修プログラムの内容を整理し、効果的な実施方法を考慮します。
ここでLMSを活用することで、進捗や効果を測定しやすくなります。そして、研修後には振り返りを行い、次回の改善点を洗い出します。
このように各ステップを有効に進めることで、研修の質を向上させ、学習開始から最終的な成果までの流れがスムーズになり、研修全体の効率化が図れるでしょう。
1. 対象者の業務課題を可視化する
研修を開催する際は、研修対象者の課題解決に役立てられると感じられるアプローチをする必要があります。
まずは、研修対象者の課題を把握しましょう。例えば新入社員を対象とした研修を実施する際には、「ビジネスマナーの基礎が身についていない場面が多い」「報連相が徹底できておらず、ミスが発生している」といった課題が多いです。反対に、経験豊富な管理職が対象の場合は、「マネジメント技法への理解が甘い」「理想とするキャリアが揺らいでしまっている」といった点が課題となりえます。
このような課題は、本人に対するヒアリングや、対象者の上司への確認を通して見える化していきましょう。
2. 研修の目的と目標を決定する
研修の目的と目標を決定することは、効果的な研修を実施するための第一歩です。まず、対象者の具体的な課題を把握した後、その課題を解決するために何を学ぶ必要があるのかを明確にします。研修の目的が定まることで、ゴールが具体化し、受講者が学ぶ意義を理解しやすくなります。これは、参加者のモチベーションを向上させ、研修効果アップにも繋がります。
例えば、新入社員の業務上の問題として報連相の不備が指摘された場合は「報連相の目的や意義を理解できる研修」や「コミュニケーションの基礎が身に着く、論理性を磨く伝え方の研修」といった内容が適しています。
受講者が自ら課題に対処する意義を見出し、積極的な姿勢で研修に臨むことができれば、実際の業務改善にも繋がります。明確な目的と目標設定が、研修の成功に大きく影響します。
3. 研修プログラムの内容を整理する
研修は短時間で最大限の効果をもたらすよう、体系的な構成を意識することが重要です。
研修の目的に応じて知識の整理を行い、伝えるべきポイントを明確にする必要があります。時間配分に合わせて内容を工夫し、受講者が理解しやすい構成にすることが重要です。
また、研修内容を洗い出し、各トピックの優先順位を決定することが効果的です。ここでロードマップを作成すると、内容の関連性や流れが可視化され、無駄な内容を省くことができます。このロードマップにより、管理者・主催者側は研修の意図を伝えやすくなり、受講者も目的を理解しながら学習に取り組むことができるでしょう。
効率的な研修開催のためには、無駄なくスリム化された研修内容が欠かせません。
4. LMSを活用して進捗と効果を測定する
LMSを活用することで、管理者は研修の進捗や効果を効率的に測定できます。まず、LMS上で学習教材を作成した後、受講者の学習進捗をリアルタイムで把握することができます。これにより、学習進捗が遅れている社員へフォローしやすくなります。また、受講後のテストやアンケートを通じて、研修の理解度や効果を分析できます。
得られたデータを元に、研修プログラムの改善点を洗い出し、次回の研修に反映させることが可能です。LMSの分析機能を活用すると、各社員の習得状況を個別に評価でき、必要に応じて個別指導を行っていくことも実現します。受講者全体の傾向や課題などを分析し、効果的な人財育成戦略の立案にも役立ちます。これにより、社員の成長を支援し、組織全体のスキル向上にもつながります。受講者にとっても、学習履歴を振り返りながら自身の成長を把握することができ、自己研鑽へのモチベーションを上げることができます。
5. 研修後の振り返りを行い、次の改善に活かす
研修後には必ず振り返りを行い、成果や課題を整理することが重要です。参加者のフィードバックを集め、学習内容の理解度や研修の進め方に関する意見を反映させることが、次回の研修の質を向上させる鍵となります。
次回に向けた施策を具体的に検討して反映することで、研修が組織全体の成長寄与に繋がっていきます。
研修を通じた業務効率化の効果とメリット
適切な研修を実施することで、社員のスキル向上が図れ、結果として業務の生産性が高まります。これにより、プロジェクトの進行がスムーズになり、売上拡大へと繋がっていきます。このように研修を通じた業務効率化は、多くの企業にとって重要な課題です。
また適切な知識を得ることで業務におけるミスやエラーといった不確実性は低下します。社内の信頼性や従業員エンゲージメントは向上し、チームワークが強化されます。
さらに研修を通じて社員のモチベーションも向上し、結果的に離職率の低下に寄与します。社員は自己成長を感じることで、より積極的に業務に取り組むようになります。
このような好循環を構築して具体的な課題改善に繋げられれば、効率的な業務の一環として研修を活用していくことができます。
業務の生産性向上
企業が成長するためには、従業員が効率的に働ける環境を整えることが求められます。研修を通じて必要なスキルや知識を学ぶと業務の質やスピードが向上し、結果的に全体の生産性が高まります。
研修によって得た知識は、社員が仕事の現場で日々実践することで日常業務における効果を実感しやすくなります。生産性向上を狙った研修を行うことで、企業全体の競争力も強化されるでしょう。
ミスやエラーの削減
ミスやエラーの削減は業務の効率化において非常に重要です。現在の業務プロセスにおいて、どのようなミスが発生しているのかを把握することで、その根本的な原因を明らかにできます。
効率的な研修プログラムを通じて、社員の知識や技能を向上させることができれば、有効な対策を講じることが可能です。具体的には、研修を通じて業務に必要な基本的なスキルや知識を再確認することで、作業の精度向上が期待できます。また、業務の現場で頻繁に発生するエラーを例に取り上げ、具体的な対応策を研修で学ぶことで、再発を防止する環境を構築できます。
研修後のフィードバックや振り返りも不可欠です。受講者が実際の業務に研修の内容を適用する際の障壁を見つけることができれば更なる改善点を発見できます。これを繰り返してくことで、持続的な業務改善を図ることができます。
社員のモチベーション向上による効果
研修により業務の生産性アップやミスの削減を実感できれば、社員のモチベーション向上に繋がっていきます。高いモチベーションを持つ従業員は、創造的な解決策を見出すことができ、売上拡大に貢献します。
また、モチベーションの向上は従業員エンゲージメントにも寄与します。従業員が自身の仕事に意味を感じることで、企業への帰属意識が高まり、離職率の低下につながります。このように、モチベーションの変化は社員のパフォーマンスを向上させ、業務成果が向上する基盤を築きます。
社内研修を通じたこれらの施策は、効率的な業務運営という点でも重要な役割を果たします。
研修効果の可視化で次の施策が立てやすくなる
研修効果を可視化し、参加者の理解度や技能向上を具体的に測定することで、現在の研修内容の有効性を評価できます。このプロセスを通じて、どの部分が効果的であったか、あるいは改善すべき点はどこかを明確に把握できます。
さらに、研修のデータを分析することで、次回のカリキュラムや対象者の選定に役立ちます。研修後のフィードバックを基に、より効果的なプログラムへの再構築が促進されるでしょう。これにより、持続的な改善のサイクルが形成され、組織全体の成長にも寄与します。
業務改善の一環としてのLMSの選び方
効率的な研修開催のために内容を整理したら、運用環境面にも改善すべきポイントがないか見直しましょう。
LMSとはeラーニングなどの学習教材の配信、受講状況、成績、学習履歴などを統合して管理するシステムのことで、業務効率化において重要な役割を果たします。
対面型研修の場合は運用コストがかかるとともに、研修参加者にも移動の負担を強いてしまうというデメリットがありました。また参加が大人数の場合は、そのぶん事務作業での負担もあります。
LMSであればセミナー形式やブレンディッドラーニングなど、多様な学び方の選択肢があることで、社員のスキル向上と業務への成果反映が期待できます。
また受講者の履歴や成績を一元管理できるため、情報の把握や分析が容易になります。
すでにLMSを導入している企業でも、古いシステムを使用していると、機能不足や操作の難しさ、作業時間が問題となることが多いです。
LMSの導入やリプレイスを通じて適切なサービスを選定することも、業務改善の一環となります。
ブレンディッドラーニングの活用例
ブレンディッドラーニングとは、集合と個別、オンラインと対面(オフライン)、インプットとアウトプットなどの形式の組み合わせから、テキストや動画などのコンテンツの組み合わせまで、複数の学びをブレンドして新しい学びを構築するものです。目的に合わせて複数の要素を適切にブレンドすることによって学びの効果を最大化し、その後の定着率を高くするのがブレンディッドラーニングの目的です。
ブレンディッドラーニングは、LMSを活用した効果的な研修手法です。ブレンディッドラーニングを導入することで、セミナーとオンライン学習のメリットを相乗効果として得られます。オフラインでの間接的な学びからオンラインでの確認や演習を行うことで、理解を深めることができます。このような研修方法が、業務の効率化に大いに寄与することが期待されます。
自社の課題解決に向けたLMS導入の必要性
LMSを導入することで、研修にかかる時間やコストが大幅に削減されます。研修コンテンツを一元管理し、受講者の学習状況を可視化できるため、進捗管理が容易になります。
また、LMSにはテスト機能やフィードバックアンケートが備わっており、参加者の理解度や学習の定着度、行動変容を把握しやすく、研修内容の見直しが可能です。効率的な研修を通して業務の生産性向上やミスの削減を実現し、組織全体の業務改善に寄与します。
LMSシステムの技術的な限界はリプレイスの検討を
既存のLMSが古いと作業面での負担が増加する恐れがあります。したがって、現行のシステムの問題点を洗い出し、パフォーマンスの低下やユーザーの離反傾向が見受けられた場合、リプレイスを検討することも重要です。
LMSの導入や見直しは、業務改善において強力な手段となります。
■LMSならSmartSkill Campus
レビックグローバルが提供するLMS『SmartSkill Campus』はお客様の構想した「研修教育グランドデザイン」を実現するLMS設計力を活かして、お客様の構想が企業内で展開・浸透・実現するよう、運用をサポートしています。
これからLMSの導入を検討している企業の方、また自社ですでに導入したLMSに技術的な改善の限界を感じている企業の方は、数万人規模の学習管理に対応し、堅牢なセキュリティ体制とカスタマイズ開発が可能な柔軟性を備える『SmartSkill Campus』を研修効率化にぜひお役立てください。無料デモID発行も受け付けております。
▼レビックグローバルのLMS『SmartSkill Campus』機能一覧
まとめ
研修を効率化するための手段やステップをご紹介しました。
研修のクオリティを向上するためには、LMSを利用することで進捗把握や効果測定が容易になり、効率化にも繋がります。また、研修を通じて業務の生産性や社員のモチベーションがアップすることで、組織全体のパフォーマンスも向上していきます。
研修プログラムの内容や目的を明確にし、自社のニーズに合ったLMSを選ぶことが重要です。
今回紹介したポイントを、ぜひ効率的な研修開催にお役立てください。
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